コンステレーションとは、状況や関係性を可視化する手法

コンステレーションとは、ドイツの心理療法家バート・ヘリンガーが確立したグループワークの手法で、人の意識の奥深くにあるものの状況や関係性を可視化する手法です。

個人を超えた意識(集合意識、集合的無意識)で何が起きているのか可視化します。
(意識という目に見えないものを可視化するため、表しきれない側面もあります。概念を言葉で表しきれないのと同様です)

さらに言いますと、コンステレーションは状況や関係性に対して無意識的に影響を及ぼしている力を見つける手法です。
この手法により、自分や周りの人々との関係性を視覚的に表現することで、隠れた影響力や自分で気づかなかった思考を知ることができます。

もともとは家族療法、心理療法の手法として始まりましたが、現在は環境問題や国際問題などもコンステレーションで扱っており、応用範囲は幅広く、ただの心理療法にとどまるものではありません。

状況や関係性の見方

コンステレーション(constellation)という英単語には「星座、集団、配置」という意味があります。

コンステレーションの場では、「可視化したい対象の人や物」の代理をする「代理人」という役割の人が選ばれて、配置されます。
代理人の見ている方向や、複数の代理人の間の距離などから、その状況や関係性を見ることができます。

例えば、AさんとBさんの関係性を見る時には、参加者の中からAさんの代理人とBさんの代理人が選ばれて、配置されます。

2人の代理人の配置によって、

お互いを見ている

同じ方向を見ている

反対の方向を見ている

など、AさんとBさんの関係性を見ることができます。

さらにここから、ファシリテーターはそれぞれの代理人が感じていることを確認しながら、ワークを進めていきます。

参加者の役割

コンステレーションのワークは、基本的には以下の役割を担う複数名で行います。

クライアント(1名)自分が抱えている問題についてワークを受ける人
ファシリテーター(通常1名。2名のこともある)ワークの司会進行をする人
代理人(1名以上)クライアントの問題に関わる人や物を表現する人。実際の当事者の代わりにワークの場に立つ人。
オブザーバー(何人でもOK)ワークを見守る人

ワークでは、ファシリテーターの司会進行にしたがって、クライアントの抱えている問題について、その場に配置された代理人の言動から、意識していない領域で何が起きているのかを見ていきます。

コンステレーションの効果

コンステレーション・ワークに参加し、体験することで以下のような効果が期待されます。

クライアントに起こる効果

これまで自分一人の視点でとらえていた問題を、ワークの場で代理人たちが表現するものを見ることによって、異なる角度から状況をとらえることができます。
それによって下記のような、前向きな変化が起こります。

  1. 起きている状況の理解が深まる
  2. 視野が広がり、新しい解釈が可能になる
  3. 問題の根本的な原因を認識できる
  4. 問題を整理することができる
  5. わだかまっていた感情を手放すことができる

代理人やオブザーバーに起こる効果

代理人とオブザーバーは、ワークでの体験や見聞きしたことを通して、下記のような効果があります。

  1. 自分の問題を解決するヒントや気づきを得る
  2. 自分の思考や感情と照らし合わせて自己理解を深める
  3. 共感能力が向上する

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