ファミリー・コンステレーション

ファミリー・コンステレーションとは？

ファミリー・コンステレーションは、ドイツの心理療法家バート・ヘリンガーが確立した家族療法、心理療法の一種のグループワークです。

「家族連鎖」「世代間連鎖」という言葉があります。
今、起きている問題は、私たちの人生に起因するものではなく、両親や祖父母や、もっと上の世代から始まっているという場合があります。

家系の上の世代で起きた出来事やトラウマが、今、生きている私たちに影響を及ぼしていることがあると考えられ、その状況を紐解き、問題を解消するために用いられます。

などの問題を感じていらっしゃる人向けです。

なお、病気・症状については、ファミリー・コンステレーションで治療するわけではありません。
その病気・症状が、クライアントの家系で過去に起きた出来事に由来するものなのか、もしそうならどういう仕組みで起きているのか見るだけです。

ただ、仕組みがわかると気づきがあり、気づきにより何らかの変化はあるかもしれません。

クライアントは、これまで自分一人の視点でとらえていた問題を、ワークの場で代理人たちが表現するものを見ることによって、異なる角度から状況をとらえることができます。

それによって下記のような、前向きな変化が起こります。

代理人とオブザーバーは、ワークでの体験や見聞きしたことを通して、下記のような効果があります。

以下の流れで進められることが一般的です。

インタビュー

はじめにファシリテーターはクライアントにインタビューを行い、クライアントが抱えている問題やその背景について尋ねます。

課題の明確化

次に、クライアントが抱えている問題や課題を明確化し、それに関係する人や状況を確認します。

代理人の選定

ファミリー・コンステレーションでは、クライアントの問題に関係する人物などの「代理人」を配置することで、問題がどのようにして起きているのかを探究します。

クライアントは参加者の中から代理人を選びます。

代理人の配置

クライアントは代理人を配置します。

例えば、家族関係の問題の場合は家族のメンバーの代理人をクライアントが感じている状況に合わせて配置します。

代理人の言動の観察

ファシリテーターは、配置された個々の代理人が何を感じているか尋ねます。

代理人は、言葉や動きで感じていることを表現します。

理解、気づき

ファシリテーターは、代理人やクライアントと対話しながら、その場で起きることを促進します。

すると、問題が起きている状況について理解が深まったり、問題解決のヒントが得られたり、気づきが起こります。
気づきは、クライアントだけでなく、代理人やオブザーバーにもそれぞれに起こります。

ファミリー・コンステレーションは、カウンセリングとは違って、クライアントは定期的に継続して受けるものではありません。
コーチングとは違って、ゴールは特に設定しません。

ファミリー・コンステレーションの1回のワークの所要時間は、１時間前後のことが多いですが、ケースにもよります。

ファミリー・コンステレーションのワークを受けた後、その効果が表れるまでの期間は数か月の時をかけてゆっくり現れることが多いようです。
（ワーク直後に変化が現れることもあれば、年単位で変化が起きることもあり、ケースバイケースです）

クライアントとしてワークを受けた後は、少し時間をとって様子を見ていただくとよいかもしれません。

代理人やオブザーバーとして、ワークショップに参加することには特に制限はありません。